"Jesus Loves Me" 「主われを愛す」
『讃美歌』461番、『聖歌』655番、『讃美歌21』484番、『新聖歌』505番
日本の童謡「シャボン玉」に似ているといわれている、有名で人気の賛美歌。
1872年(明治7年)秋の在日宣教師会議の際に、この曲含む2曲がはじめて日本語訳され、
一同で試唱されたと言われている。
その際の歌詞
エスワレヲ愛シマス、サウ聖書申シマス、彼レニ子供中、信スレハ属ス、
エスワカタメニ、天ノ御門ヒラキ、ワカツミユルシ、ソノチニヨレリ、ハイエス等
エス愛スイツモ、ワレヨワヒトテモ、ワカ病気助ケニ、御座ヨレ下リ、ハイエス等
エスワカ生涯中、ワカソバ居マス、ワレ死ヌトテモ、ワレヲ天ニトモノヲ、ハイエス等
原 恵著『賛美歌 その歴史と背景』日本基督教団出版局、1980年初版1994年第5版、253頁。
最初の日本語訳讃美歌集(1874年)では、すでに文語の訳詞となり、その後少しずつ
改変され、1903年『讃美歌』でほぼ現在の形になった。
オリジナルは、作詞 Anna B. Warner(1820-1915)、作曲William B. Bradbury(1816-1868)。
作詞者アナ(アンナ)は女流作家で、文筆家である姉とともに、また単独で小説を
書いたり、讃美歌集の編曲をした。60年近くバイブル・クラスで、また自宅近く(ウエストポイント)の陸軍士官学校で宗教教育に尽力した。
"Jesus Loves Me"は、姉との共著の小説”Say and Seal"(1859?,1860?年)に挿入された詩。
作曲者ウィリアム・ブラッドベリーは、"Jesus Loves Me"に曲をつけ、1862年に日曜学校讃美歌集に収録され、全米に普及した。また、アメリカの伝道圏にある諸国に広く普及した。ウィリアムは、19世紀のアメリカの教会音楽家として極めてポピュラーな存在である。
参考文献
原恵著『賛美歌 その歴史と背景』1980年初版1994年第5版、日本基督教団出版局。
日本基督教団讃美歌委員会編『讃美歌21略解』1998年初版2012年第4版、日本キリスト教団出版局。